模倣犯1 (新潮文庫)

模倣犯1 (新潮文庫)

とっても上質のドキュメンタリーを読んでいる感覚だった。登場人物全ての人物設定、背景、心理描写が素晴らしくて、「小説」の中の人たちだとは思えなかった。でも、最後の展開が「やっぱり小説だよね」と思ったのが残念。あと、最近の推理小説や刑事もので、登場人物の刑事だのが「こんな展開はテレビドラマ(もしくは小説)の中だけの話だ。実際にはそんなに都合のよい展開があるわけないのに」と思ったり喋ったりしてるけど、これって興ざめ。や、あたしが読んでいる小説の中のあなたも、本物の刑事じゃなくってただの登場人物ですから!これ、小説ですから!と改めてツッコミ入れたくなるんですが、こういう表現はやめてもらいたいです。それにしても、この本は今年のあたしのベストでした。面白かったー。評判に偽りなしだ。